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2009年12月12日

第3話 今日から二人は好敵手

華倶夜を倒すため、手を結んだ四人
決戦の火蓋が切って落とされる

 

武装神姫 OriginalRondo

オンナ ノ タタカイ

第三話

今日から二人は好敵手

 
始まります。
第3話 今日から二人は好敵手

夏休みもあと一週間で終わろうかと言う日の夕方。クラスメイトの夏休みの宿題の手伝いを終えた月待 紡は、秋葉原に向けて愛用のシティサイクルをこいでいた。
「なんの用なのかしら?」
バックパックから顔を覗かせた悪魔型神姫 姫月 華倶夜(ひつき かぐや)が話しかける。
「知らん、兎に角お前を連れて神姫タワー Akiba に来いってだけだった」
「ふぅ〜ん・・・朔夜も居るのかしら?なら、アタシに認めて欲しいって話?」
「皆目見当も付かん」

神姫タワー Akiba 3 階シュミレーションバトルフロアの半ば指定席と化している場所に向かうとそこには見知った顔が並んでいた。
「随分奇妙な組み合わせだな」
「おいっす」
「来たか」
「・・・来たわね」
実況部こと佐伯 孝文、KYO こと高城 恭介、そして御門 巴の面々だ。
「なんか前にも聞いた気がするけど、お前らそんな仲良かったっけ?」
「仲が良い悪いじゃなくて、背に腹が変えられなかっただけ・・・」
そう言うと万年睡眠不足こと月待 紡の肩に座る、華倶夜に指差し宣言した。
「華倶夜、勝負よっ!!」
「は?」
「良いわよ」
キョトンとする万年睡眠不足とあっさりと受ける華倶夜。
「・・・あ、あっさりと受けるのね」
「拒む理由も無いわ・・・それに、一度アンタとは真っ向からやりあった方が良いと思ってもいたし」
剣呑とした空気の中、呆然としたままの万年睡眠不足。
「・・・あれ?何?お前ら仲良くなかったっけ?」
状況を理解していない万年睡眠不足を置いて状況は進む。

一行が 4 階オフィシャルバトルフロアへ移動すると、直ぐに空き筐体が見つかりバトルは開始された。
「華倶夜ファンの皆さんお待たせいたしました、両神姫バトルフィールドへのエントリーが完了しました。悪魔型神姫 姫月 華倶夜 VS セイレーン型神姫 東雲 千鳥(しののめ ちどり)の試合を開始しますっ!!」
「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」
「相変わらずのオーディエンスだねぇ」
等と呑気な事を言う万年睡眠不足とは対照的に、TOMO こと巴の気合の入り方は凄まじかった。
「華倶夜っ!!対アンタ用に起動させた私の千鳥がアンタをぶっ潰すからっ!!」
「ぶっ潰すって・・・一昔前のプロレスラー並みのボキャブラリーね」
「な・・・ひと・・・なんですってぇぇぇっ!!」
フィールドの向こう側で怒りに震える TOMO を無視して華倶夜は対戦相手 − 千鳥に目線を向ける。
「・・・対アタシ用、ね。って事は相当短期成長させられたのかしら?アンタも災難ね」
「ん?いや、まぁ短期は短期だったが・・・”華倶夜と戦うため”というのは存外悪いものでもないぞ」
「・・・なにそれ?」
「起動してから今日までお前の事を色々と聞かされてきたが、素直に賞賛に値する。成る程、挑み甲斐の・・・倒し甲斐のある相手だ。」
「何聞かされたか知らないけど、よもやいきなりアタシの事を」
「倒せると思う程自惚れは無い、胸を借りるつもりだ。・・・だが、一矢報いることも敵わないと思う程謙虚でもない。」
そんな会話をしていると実況部の声が聞こえる。
「特別シングルマッチ 60 分 1 本勝負。姫月 華倶夜 VS 東雲 千鳥レディー・・・」
「「「ファイトッ!!」」」
実況部とオーディエンス、筐体の機会音声が重なり試合が開始される。チャキッと華倶夜がサイズ・オブ・グリムリーパーを鳴らし構えると、千鳥は高く舞い上がり間合いを取った。

試合開始

(まずは距離と上を取ること・・・か)
「ポジショニングは上出来か・・・」
千鳥の姿を見て呟く KYO 。

「高度?」
「あぁ、それとある程度の距離を維持する事」
起動された千鳥に、KYO から華倶夜対策が教え込まれていく。
「彼女の代名詞、蹴りもファルコンアローも”地面”が鍵になる技なんだよ」
「地面・・・」
「地に足が着いているからこそ、十分な威力・精度の蹴りが撃てる。地に叩き付けるからこそのファルコンアロー。そして距離をとれば彼女のフェイントも見切れる・・・筈だ」
「なんでそこだけ断言じゃないの」
らしくなく言葉を濁す KYO に、TOMO が聞き返す。
「蹴りとファルコンの対策には確信がある。…が、正直彼女のフェイントの正体はまだ判らん」
「た、頼りない」
TOMO の言葉に反論するのは実況部だった。
「無茶言うなって。華倶夜のオーディエンス連中も対戦した神姫も、多分殆どの奴はフェイントそのものに気が付いてないんだから」
「そなの?」
頷く KYO 。
「だが十分な距離をとっていれば対処は可能だろう。華倶夜にも遠距離攻撃手段位あるだろうが、決して本職じゃない筈だ。後は先手をとり続けること」

バババババッ
「上空を押さえた千鳥っ!!アルヴォ PDW9 で鉛の雨を降らせるぅっ!!」
降りしきる”雨”に身を低く屈めながら駆け華倶夜が距離を詰めようとするが、ひらりと上空で距離を取り直すと再びトリガーを引き絞る千鳥。
「こっのっ!!」
舌打ちしながらフルストゥ・クレインを 2 本投げつけるも、その下を潜る様にかわしながらトリガーを引く指を緩めない千鳥。
(よし、上空で距離さえあるなら、周囲全てが回避のためのスペース足り得る。後は・・・)

「先手を取り続けるって、華倶夜はそれを”受けて”勝ってきたんでしょ?」
「それは”受けた”後に反撃の一手を当てる事ができればこそ、の話だ。距離をとり続け、攻撃の手を緩めなければ・・・ありふれているがやはり攻撃は最大の防御なんだよ」
「ふぅ〜ん・・・やれる?千鳥?」
「それが主命とあれば」
TOMO の問いに、凛々しい表情で頷いてみせる千鳥。

繰り返される、弾丸と刃の応酬。序盤こそ距離と絶え間無い弾丸に LP (ライフポイント)を削られる一方だった華倶夜も、千鳥の回避行動を或いは読み、或いは誘導し徐々に直撃させるようになっていった。
「いけるよっ千鳥!!その程度のダメージなら押し切れるっ!!」
TOMO が声援を送る間も両姫の距離は縮まる事はなく、鉛の雨と撃ち貫かんとする刃とが飛び交っていた。
「せぇぃっ!!」
ありったけのフルストゥ・クレインを投げつけながら”飛び退る”華倶夜。一つ一つが微妙なタイミングと軌道で迫るが、千鳥は焦ること無く一瞬距離をとり、潜り抜ける様にかわす。
「ちっ」
僅かに被弾するが、構う事無く狙った距離から再び弾丸を見舞う。

(・・・おかしい・・・)
幾合も続く弾丸と刃の応酬。かつてフィアと戦った時のように、相手の回避先を限定・誘導する様な攻撃は予測していたし、千鳥も十分に対応している。虚を突く攻撃を繰り出す華倶夜に、オーディエンスも普段の格闘戦とは違った戦い方に固唾を呑んで見守っている。
(・・・このままじゃ本当に千鳥が押し切ってしまう・・・)
フルストゥ・クレインを放っては飛び退る華倶夜、潜り抜ける様に回避し距離を詰めながら弾丸を放つ千鳥。作戦通り距離は十分、華倶夜の打撃は絶対に当たらない。この距離なら正体不明のフェイントも、反撃の一手となる攻撃も届かない。完全に狙い通りだ。だからこそ、KYO は言い様の無い違和感を感じていた。
「千鳥っいっけぇぇぇっ!!」
「承知っ!!サラマンダーッチルドレンッ!!」
TOMO の声に応え、アルヴォ PDW9 のスキルを発動させ一気にバトルの流れを決めにかかる。
ズダダダダダダッ!!
「千鳥が一気に決めに来たぁっ!!」
実況部の絶叫と、防御姿勢のまま吹っ飛ぶ華倶夜。
「まだまだぁっ!!」
叫びながらエウロスを構え”真正面”から一直線に距離を詰める千鳥。
「まずいっ!!千鳥駄目だっ!!」
叫ぶ KYO 。だが、その予想通り遅かった。
タンッ
千鳥の攻め気を見て取った華倶夜は吹っ飛ばされながらバック宙の要領で着地する。そのまま、”真正面”に駆け出す。
ダンッ
打撃技には大分遠いと感じる間合いで踏み切った。体を真横に倒しながら一回転するには丁度良い距離、そして蹴りを放つ。

反撃・旋風脚

バシィッ!!

互いに突っ込んで行った勢いに、回転の遠心力を加えたカウンターの蹴りが千鳥の顔面を捉える。
「ニールキッk・・・いやっ旋風脚ぅっ!!お前はハヤブサかぁぁぁっ!!」
引っくり返るように背中から落ちる千鳥と、空中で体勢を整え千鳥の向き直りながら着地する華倶夜。千鳥が直ぐに四つんばいになるようにして体を起こしたが、目前にはすくい上げるような華倶夜の蹴りが迫っていた。
バシィッ!!
胸を蹴り上げられ、再び響く鈍い音。
「あっがぁっ!!」
呻く千鳥に休む間も与えないと、繰り出される華倶夜のけり、ケリ、蹴り。
「鉛の雨が止んだっ!!蹴撃の嵐が吹き荒れるぅぅぅっ!!」
「どうしてっ!!距離はちゃんとっ!!」
TOMO の叫びに KYO が答えるように呻く。
「やられた・・・わざと退いて・・・攻撃を潜らせて高度を下げさせたか・・・」
華倶夜は”退きながら”攻撃し、その攻撃も潜って避ける様に誘導していたのだ。千鳥は見た目の距離を維持する事に意識を奪われ、華倶夜が退いた分間合いこそ詰めたが高さを維持する事を疎かにしてしまったのだ。ついには高さというアドバンテージを手放してしまった千鳥は、真正面から華倶夜に迎撃されてしまったのである。

「つかぁ、こういう作戦とられるの・・・初めてじゃぁなぁいし〜」
状況はともかく戦況は理解している、ニヤリと笑って呟く万年睡眠不足。
「「あんにゃろぉ」」
呟きは聞こえずとも、その表情は KYO と TOMO の神経を逆なでするには十分だった。

高さを失った千鳥の翼にに、蹴撃の嵐を飛ぶ力はなかった。華倶夜の猛攻に組み合わされる掌底や足の裏で擦り上げるように蹴り抜くトラースキック − 顎をピンポイントで狙った攻撃に、弱スタン状態に追いやられ距離をとることも反撃に移ることもできずにいた。
「千鳥っ!!逃げてっ!!」
TOMO の言葉の直後、突き刺すような軌道のローリング・ソバットが迫る。
「こっのぉぉっ!!」
後方に飛んで両腕を交差させながら蹴りを受ける千鳥。
(今っ!!)
蹴り技の中でも隙の大きいローリング・ソバット、蹴りの嵐が台風の目に入る。
バサッ
空いた間合い、蹴りの間隙を縫って一気に空へ向け千鳥の翼がはためく。しかし・・・

消え行く運命の儚月
焦がれる想い月光宿し
奏でよ悲恋の狂詩曲(ラプソディー)

「ムーンナイトラプソディ・・・逃がす訳ないでしょ?」
蹴りの暴風が晴れた頃、静かに月の刃が乱れ舞う。
ズババババババババッ
「くぅっ!!」
八枚の月の刃を受け、動きが止まる千鳥。
タンッタンッタンッ
その一瞬の間に地を蹴り、三角飛びの要領で壁から壁へ飛び上がる。背面飛びの様な体勢で千鳥の上空をとった華倶夜。
「なっ」
気付き、向き直るが手遅れだった。落下しながら 180 °の捻り、360°の前方回転で遠心力、体重、落下の勢いを乗せた膝が千鳥に叩きつけられる。

新技・フェニックスソード

ドムゥッズダァンッ

そのまま華倶夜の膝と地面にサンドイッチにされる千鳥。
「フェ、フェニックスか?・・・フェニックス・スプラッシュ式ダイビングニードロップゥゥゥッ!!」

WIN
姫月 華倶夜

決着を機械の音声が告げる。
「「「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」
「千鳥天晴れっ!!短期育成ながら華倶夜を追い詰めてみせたっ!!」
オーディエンスからは暖かい拍手が送られた。
「しかし華倶夜っ!!知略っ!!蹴撃っ!!新技っ!!フェニックス・スプラッシュ式ダイビングニードロップ・・・フェニックス・ソードでっ K・O ッ勝利ぃっ!!」
「「「うぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」

ツインテールの右をかきあげ靡かせ、そのまま拳を掲げ声援に応える華倶夜。
「・・っていうか、これフィニッシュ技にするつもりなかったのに・・・まぁでも、ざっとこんなもんかしらね?」
仰向けに倒れる千鳥に目線を向け聞く。
「・・・はぁ、釈迦の手の平の上だったか・・・」
「頑張った方じゃない?」
「なんで受けたんだ?この戦い、メリットなんか無いだろうに」
「アンタのマスターが”アタシのアイツ”にちょっかいを出した・・・十分すぎる理由じゃない?」
しれっと、そして恐ろしくも綺麗な笑顔で答えた。
「・・・相手は人間だぞ?私達は神姫で」
「上等よ、アタシのライバルは人間な位で・・・丁度良いわ」
言いながら手を差し伸べる。
「ぷっ・・・くっくっくっ・・・敵わなんな」
笑いながら片膝立ちになり手を取ろうとする。その瞬間だった。
「千鳥っ!!張れぇっ!!」

不意の反撃と報復

パァンッ

響いたのは TOMO の叫び声と乾いた音。唖然とする TOMO 以外の全員。
「は・・・れ?」
完全に反射反応で右手が出ていたのだろう、千鳥も間の抜けた言葉を漏らしながら呆然としていた。グラリと体が後方に崩れる華倶夜・・・の右足が半歩引かれ確りと地を踏み締めると、放たれる全身の可動域を全力稼働させた自己最高最速の右掌底。
スコォン
抜ける様な打撃音の後に、再び蹴撃の嵐が吹き荒れた。
「だぁぁぁっ!!ストップッ止まれっ華倶夜っ!!駄目だぁぁぁっ!!」
我に返った万年睡眠不足が慌てて華倶夜を胸に抱え上げ引き剥がすまで、きついダウン状態にいた千鳥は蹴られるがままだった。
「巴っ!!アホな事さすなっ!!」
思わずハンドルネームでなく名前で突っ込む万年睡眠不足。
「ぅ・・・うるさいわね・・・しょ、しょうがないじゃなぃ」
千鳥を大事そうに抱えながら、力なく反論する。その様を見た華倶夜が黙っている筈も無く。
「フゥゥ・・・ま、”どっち”にしてもアタシの勝ちね」
深呼吸して自分を落ち着かせながら、体を万年睡眠不足の胸に委ね見せ付けるように”哂う”。
「華ぁぁぁ倶ぅぅぅ夜ぁぁぁっ」
地の底から湧き上がるような恨みがまし気な声で呻く TOMO。
「華倶夜、煽るな。唯でさえ沸点低いんだから」

「フフン」
「きぃぃぃっ」

オンナ ノ タタカイ は始まったばかり。





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(c) 2006 Konami Digital Entertainment Co., Ltd.

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posted by 万年睡眠不足 at 02:04 | 東京 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | 武装神姫 OriginalRondo オンナ ノ タタカイ
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